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平成20年4月

2008. 4.30

葉間に頬赤らめてゐるつつじ花の先に藤棚かすみて見ゆる

山吹の色褪めゆくもさはやかに咲き初む藤の色引き立てる

藤の花まなこを立てて驚ける顔を並べて咲き下がりゆく

2008. 4.29

ピーピー豆といふカラスノエンドウといふもその名はヤハズエンドウ

花柄のもとに蜜ある豌豆に蟻集まりて「ありがとう」と言ふ

小葉形を矢筈と見たる古へのひとの心をおもひぬるかな

豌豆の花つぎつぎにエンドレス

2008. 4.28

龍の髭とコンクリートの間(ま)に音もなく雨蛙様のきたれる

さそはれて共にケロケロ雨蛙

2008. 4.27

ぽつぽつとあかり灯して咲く花に語りて嬉しわが心かな

心通ふ花見つけたり春の丘

2008. 4.26

千波湖に夕べの波の白くして黒鳥遠く好文を見る

夕空に牡丹桜の色とけて好文亭は森にとけゆく

2008. 4.25

咲き初める花を濡らして降る雨にシャガ深々と頭低れたり

色彩の魔術師といふシャガールの絵より麗しシャガの花かな

著莪
淡々と日陰に咲いて
何も言わずに風に揺れては
光を発す
著莪は可愛い
可愛い花ですね
真白なる花びらに
青丹よし奈良の色
著莪って
不思議な花ですね

抱き返り渓谷にひそ咲き初める姫シャガの花見るはうれしも

2008. 4. 24

てっぺんにホニョリと立てる一本の髪愛らしき葱坊主かな 

葱坊主かむりをとれば逆立てる髪続々と春風に舞ひ

2008. 4.23

さみどりのもみぢの葉間に紅花の鈴と並びて涼しかりけり 

蛙手の指やはらかに風に揺れ紅の小鈴の音鳴らしをり 

あまづたふ光を浴びてもみぢ花 柔き葉上にほの開きゆく 

2008. 4.22

花びらを透かす光の真白くて蘂楽しげにおしゃべりをする

柱頭のあわき緑を見上げつつじつと寄り添ふ紅色の蘂

紅色のしべの追ひ上げぶつちぎり柱頭さやに泳ぎ行きたり

2008. 4.21

久方の青き空見ゆチゴユリの矢車に吹く風のさやけさ

2008. 4.20

冬越せるベコニア穀雨の庭に出せば若葉ハートのみずみずしくて

2008. 4.19

春嵐吹くこの庭の夕暮に一人静御前の舞ふを見る

一人静根元を見れば紫の色深々に茎立ち上がる

四枚の葉上の蘂の真白さを一人静に眺む夕暮

2008. 4.18

雨数滴ほんわりとして北山の春の夕は淡く暮れゆく

萌へ出づる小楢(コナラ)若葉はうすべにの色もて何を書きくけコナラ

頬杖をつきて空見る水芭蕉 春の憂ひを誰に伝へん

2008. 4.17

草原に炎と立てるタンポポの姿におもひを馳する火のあり

聖なれる火の哀しさよ俗にまみれ世界を分断して渡りゆく

火のリレー阻止する人も護らんとする人もまた願ふは平和

2008. 4.16

さわさわとそよぐ若葉のメロディにのりて花びらひらひらと舞ひ

蜘蛛の巣にかかる花びら昼の月

2008. 4.15

常州の自然を愛でる太郎氏の撮る花見れば失くす言の葉

2008. 4.14

櫻川そそげる街の城跡の花をぬらして春雨の降る

亀城東櫓(きじょうひがしやぐら)の段を上りゆけば窓に流るる花景色かな

散り浮きて流るる花を一心にすくはんとする母ぞかなしき

2008. 4.13

サクラサク里櫻川磯部なる丘に残れるいにしへの春

枝垂れたる山櫻花の真白さを引き立ててをり染井吉野は

空のあを山辺のあをに薄紅の霞かかりて匂ふがごとく

2008. 4.12

たんぽぽの握り拳を開きゆけば春野に生まれ出づる太陽

大切に包めるものを春の陽にかざさんとして開くたんぽぽ

たんぽぽの花の舞台の号令に蘂一斉のVサインかな

をさなきにタンポポの花ちかくして櫻は遠く空のかなたに

そのかみの春の野に咲くたんぽぽの色の輝きそのままにして

地にへばりつきて伸ばせるたんぽぽのぎざぎざハートの子守歌かな

2008. 4.11

あけぼののあをき光に伸ぶ影の枝に紅添ふ落椿かな

ははそはの母なる大地をくれなひに染めて椿の花落ちてゆく

咲く椿 落ち着く先を見定めり

らくちん!と笑める花あり落椿

2008. 4.10

ギヤマンの器の水に夭折の桜小枝を挿すもうれしく

室内のガラスの光に開きゆく桜の花のやはらかさかな

2008. 4. 9

吹きすさぶ夜来の雨に桜花散りて浮かびて流れゆくかも

流されし果てに重なる花びらの水に透きゆくこそゆかしけれ

見上げれば暴れる風に身をまかせゆられゆられている桜かな

此岸にも彼岸にもいま散る櫻

散りてなを地を紅に染む櫻花

花咲けば人も集ひて咲きにけり

くれなひの色にくれゆく春の川

吹く風に笑みて散りゆく櫻かな

2008. 4. 8

こちょこちょと心擽(くすぐ)る胡蝶蘭アハイヒウフフエヘオホホホホ 

胡蝶蘭さくらさくさま眺めをり

2008. 4. 7

赤々と萌へ出づる葉の睡蓮の桶に泳げるクロメダカかな

How are you!(ハウア-ユ-) いへ!我が輩はメダカなり

意気高く目高く生きてゆきたしと

2008. 4. 6

親指と人差し指につままれてゆらりゆらゆらスノーフレーク

爛漫の春日となればわが庵にスノーフレーク鈴鳴らしをり

ひそひそと耳打ちスノーフレークの花びら柔き肌のふれいく

2008. 4. 5

春の苑(その)くれなひ匂ふ木のありて道行く少女(おとめ)に花の名をきく

くれなひの枝 春空に弧をえがき

ももの花 枝くれなひのうまか棒

2008. 4. 4

はなびらを透きて真白くともる灯の心の闇を照らしゆくかも

桜王ソメイヨシノのかなしさよ花咲くも実のひとつだになし

オオシマコマツオトメを親として染井吉野の日の本の春

らんまんにりんりんとしてるんるんの踊る心をいかにせんせん

2008. 4. 3

港にはヨーコゐたりき小川には陽光桜鈴割りて咲く

矢野下の桜木白み初むを見れば緑の草を踏みて行きたり

爪ほどに出づる蕾のありがたさ

2008. 4. 2

卯月なる泉が岳を遠く見て街の灯電車のあかき灯も春

黄金の空に飛び立つジェット機に乗せてうづける我が心かな

2008. 4. 1

花冷への雨中墨絵の桜かな

雨降れば雨降るままに日の照れば日の照るままに咲く桜かな

落つ蕾 映る小枝に抱かれて

よじ登り「ヤッホー!」と咲く桜かな

きのふ雨けふ強風に煽らるも白雲に根を張りて咲く花

右に見て左にも見て桜花うづく卯月の心なりけり


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