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平成20年2月

2008. 2.29

きさらぎの名残と立てるこの庭の霜の柱に流れゆく時
光る手で何覆へるや霜柱 黒土ゆ生まれ出づ春の夢

霜柱解けて現はる春の道

2008. 2.27

波を打つ下唇も美しくハッピーキャッスルとふ唇美蘭
楽しげにサンバを踊るシンビ蘭のばせる指の何さしすせそ

2008. 2.26

あたたかき枯葉の布団にくるまりて口とがらせているや水仙
この庭にさわと芽を出す水仙の炎も淡き春色に萌へ
人様に迷惑かけず咲くのよと母子の会話きこへくるごと

2008. 2.25

鼓音ぽんときこへて梅の花ほの開きゆく八重の眼差し
枝垂梅の蕾可愛やピンポンパン庵の庭にとび跳ねてをり

一二三(ひいふうみい)パピプペぽんと開く梅

2008. 2.24

スダジイの木陰につどふ人形の奏でる音もまんまんまるく

2008. 2.23

北空ゆ黒雲沸きて風起こり春の嵐となりにけるかも
風神の袋ぱつくり口を開けて黒く冷たき風の噴き出づ

宗達の風神見たり春の空

2008. 2.22

うまさふな大福餅のかたちして開く間近の白梅蕾

幼子の頬の円さや鬼ごつこする声のして白梅の花

2008. 2.21

華やかな雛壇にゐて左大臣の憂ひをたたふ眼差しを見る

この春を見つめて黙す左大臣

2008. 2.20

早春の涸沼(ひぬま)にかすむ筑波かな
春の香もかすかなりけり遠筑波

2008. 2.19

むらさきの手袋ぬくし仏の座
蕾あかく雨水葉色の仏の座
パンチ!パンチ! 元気いっぱい仏の座
あかんべぇ!と おどけて咲ける仏の座

2008. 2.17

霜焼けのいたみにたへてくれなひの手を日にかざす踊子の花

思ひひめ踊子草の青き春

2008. 2.16

携帯にゲームにはまる子らを見よ 授業増せるはまるとなれるや
授業増せば子ら学ぶなど錯覚ぞ 増せど減らせど下がるものは下がる

拳握り励まし合ふて捧げ持つ氷 ダイヤモンドの輝き
辛抱し協調するを教へ込む家庭教育こそ分岐点

2008. 2.15

近づけば天にも届く県庁の空に対角線を引きてゆくかも

早咲きの梅 県庁に色を添へ
白梅のかほりに酔へる国衙かな
流れ行く春の雲見よ昼の月

2008. 2.14

君はけふ千代是意図を包む紐に鈴音なりて輪をむすぶまで
貰はぬもいとすがすがし貰へれば返しに心煩はされつつ 

2008. 2.13

みどり髪あをく眼差す姫君の光こぼるるあかきくちびる
錦織る雅(みやび)の衣(ころも)親王の心もすがし遠き眼差し
錦織る雅(みやび)の衣(ころも)重ね着て祈れる姫の優し顔(かんばせ)

2008. 2.12

意のままにならぬが常とおぼゆるも肩を落とせる水仙の花
沈みゆく陽は花びらに垂線を落として光(かげ)を散らす水仙
推薦に「すいません」とふ水仙は身にふる塵と水に洗ふや
ただ咲きて黙し語らぬ水仙に励まされたるわが心かな

2008. 2.11

運慶の大日如来二億なれど我が生命保険よりも少なく

百年(ももとせ)を八度(やたび)重ねて大日はなをも多くの時を見つめん

2008. 2.10

春浅き雲間を抜けて那須野原 与一馬上に弓を引きをり

ひづめ音 矢を射る音も春の空
春寒を与一の弓の時の塔

2008. 2. 9

春立つも昼の気温の零度なれば思ひの川に雪降りしきる

湯けむりに解けて眠れる春の雪

2008. 2. 8

千年の源氏語りの輝きを高き木に見るこの夕べかな

2008. 2. 7

雲間より降れる光のやさしさに背筋を伸ばす野田の木々かな

春の雪とけてぬかるむ轍(わだち)水をゆるゆる泳ぎ行ける白雲

2008. 2. 6

「空気読む」ことの難きに堪へかねて「心安らぐ」「経を読む」かな

般若経 五蘊皆空照見し一切「苦厄」度すを説きたまふ

凍つ庭の春の光の「かなりよし」

KYに「喜憂」する価値なしとする君が心のいとでけーわい 

2008. 2. 5

をさなごの雪とたはむれゐたるごとパンジーの花イエローの声

パンジーや雪の布団にくるまりて 

2008. 2. 4

桜木の息ほのぼのと立ちて春

あは雪の桜の幹の息しろく立ちのぼる春になりにけるかも

春見上げ立つ大橋や水光る

那珂の水うつして架かる大橋の萌え立つ春になりにけるかも

2008. 2. 3

節分や外(と)には膨らむ桜草の鬼面となりて冬送りゐる

淡雪に滲むうすべに桜草

2008. 2. 2

冬潮を大海苔巻に仕立てんと波息荒き大洗浜

2008. 2. 1

きさらぎの明けゆく空に梅古木かなでてゐたり春の旋律(メロディ) 


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