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平成20年1月

2008. 1.31

見上げればエンジュの道を走り行く枝と襷(たすき)を待つ枝のあり

襷かけ走るエンジュにエンジョイし

2008. 1.30

紅梅の蕾咲き初む顔(かむばせ)に笑み浮かぶ見ゆ春立つ間近

2008. 1.29

寒の雨に洗はる土の桜木の影形真似て背伸びする我

2008. 1.27

松が枝の千歳(ちとせ)の舞ひにとどろきて寄せる白波太平の洋(うみ)
大洗の磯の巌の集まりて押し競饅頭白熱の波

松笠や冬の光の作る道

2008. 1.26

さみどりの芽のまどろむや苧環(おだまき)の枯葉のやはき光の中に

寒に開くおだまきの葉の円さかな

2008. 1.25

梅が枝の先をくるめる水玉に冬の光の澄む空を見る

2008. 1.24

常陸野に渦巻く風の凍れるをただ一身に受けて筑波嶺

2008. 1.23

「すぐ見よ!」とふ電話 寒夜に出てみれば空一面の雲に月照る

2008. 1.22

 佐竹寺にて
北面の昼なを暗き佐竹寺の扇の月のさやに照るかも
円窓を通る光は桃山の色ことごとく白く染めゆく
満月の窓を見やれば桃山の色のかすかに木々のみどりに 

2008. 1.21

草原に大寒の光の淡くして吹く北風に悴(かぢかみ)てゆく
大寒の淡き光に手をかざす枝は鉛の雲の背を押し
草原を真直に伸びるこの道を行けば春待つ山桜あり

2008. 1.20

 古徳沼にて白鳥を見るに詠める
白鳥の二羽寄り添ひて泳ぎゆく沼にチャイコフスキーの波立つ
親と子の間(ま)にも架かるや天の川 葦葉のひまゆ沼を見やれば
行く先をぢっと見遣れるコハクチョウ あとに控へし尾長鴨かも

2008. 1.17

爺様と婆様が住んでいましたと御伽噺の初雪の朝
ビニルなきビニルハウスの韮株にうさぎを産みて積もる白雪

うまさふな雪の花咲く野田の朝

2008. 1.16

寒風のひまを漂ふ白き日に紅さんざめくさざんかの花
寒いねと語りかければ微笑みて紅色ませる庭の山茶花

山茶花の泰然として寒の中

2008. 1.15

地表零下四度の朝に野田庭の土持ち上げて立つ霜柱
白糸の滝の流れをうつしみに凍る朝(あした)に立つ霜柱
野田庭に日の射し来れば霜柱 身を傾けてとけてゆくかも

2008. 1.14

ひょっとこの口ひんまげて寒き日を堪へてゐたるやこの椎茸は

椎茸の笠くろがねの寒の庭

2008. 1.13

咲耶姫の衣なびくや和気動く
一切を捨ててすがしや寒椿

2008. 1.12

 伊藤宗親氏の賀状を詠める
この年の厄払はんと舞ふ獅子の澄める眼に心正さる

2008. 1.11

寒中といへど気温の十三度ありて背伸びをする桜草
「最初はグー じゃんけんぽん」と楽しげに拳を開く桜草かな

2008. 1.10

 秋田光祥氏の賀状を詠める
篆書なる子(ね)の字ネズミの形なれば雪舟涙の絵をおもひけり
右上の印「頤壽(イジュ)」の文字 宙を翔び子(ね)の鳴き声を受け止めてをり
「頤(おとがひ)」はヒトの特徴の一つにて下顎の突き出し部分なるとふ

2008. 1. 9

 吉澤鐵之氏の賀状を詠める
自作漢詩の鐵之氏賀状に米芾と良寛の筆意彷彿として

2008. 1. 8

 片桐飛鳥氏の賀状を詠める
立ち昇る旭の中に次々と玉生まれ出づ Sparkling 

2008. 1. 7

筑波嶺のやはき光にいだかれて走る出初めの消防自動車
勤行の川辺に出初む消防車四十三台 水放ちゆく

2008. 1. 6

冷気張る体育館に書初めの子ら凛として筆運びをり
滲みよし擦れ勇まし「はる」の字を書けるをのこの頼もしきかな
墨の香の鎮める中を子の意気の静かに燃へる書初めの朝

2008. 1. 5

年神の賜物なるや吾が庭に赤と黒との玉の輝く
赤は万年青 黒は宝珠の実にあれば年玉にこそ相応しけれと
その色の七変化するランタナの実のさみどりに眼(まなこ)やすめる

2008. 1. 4

お尻齧り虫とふ歌の流行るともひっつき虫はただ黙々と
齧りつく歯の凍てつけば陽に翳し吾が近づくを待つ栴檀草
戻りきて見れば衣に栴檀草の実の槍のごとひっつきてをり
わが衣にひっつく栴檀草の実を重ね重ねてつくる酉小屋
世の中の悪閉ぢ込めて幸ひをひっつけたもれ これが酉小屋

2008. 1. 3

天地(あめつち)に我たたづめば畦道は小川せせらぐ音に伸びゆく
霜降れば銀黄金(しろがねこがね)の朝の野に我が影えがく人字伸びゆく
枯れ果てて畦に横たふ草々をダイヤモンドに変へる朝霜

2008. 1. 2

常州の友部の里の大沢の杉の林の太子堂かな
あらたまの年のはじめの挨拶に日の燦々と降る太子堂
金色の光眩しや柄香炉を捧げて立てる孝養太子

2008. 1. 1

鳴き声もちゅうぐらいなり子年春

あらたしき年の光に開く葉のいよいよ白き野田の葉牡丹
幾重にも包みて抱く紫の葉中に光る御年玉かな
逞しき腕持ち上げて元日を祝ふ梧桐に光あふるる 


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