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平成19年10月

2007.10.30

大輪の花弁雄々しき白菊に北斎の絵の浪音をきく
並び立つ菊溌剌と花びらの意気もあがるやエイエイオーと
秋の陽に開く菊花は過ぐ夏の夜の夢 線香花火の如く

2007.10.27

こうよう!といへど紅葉(もみじ)は人寄せのために身の色変へるにあらず

天近き里美の丘の夕暮れは木々と雲とが手を繋ぐごと

北国の友が煎りたる豆をもて淹れる珈琲 雨の土曜日
煎りたての豆のかほりの庵にゐて筆執りて書く「豆新珈琲」

 地球温暖化に寄せる三首
人類を滅亡させんと地の球の怒りてカッカする温暖化
人類が滅亡すれば地の球はよろこび安堵し一息つく哉
釈迦牟爾が諸行無常と唱ふるは温暖化かとおもふ昨今 

2007.10.25

国民一人七十円を支払ひし学力調査の結果出るとふ
問題を見れば引っかけ頓知ありて一休さんはよろこべるかも
名にし負ふ中央公園なればこそ東公園に勝るとおもほゆ
バーゲンの安売りに親は逸るとも小学生は逸らぬがよし
ケーキの値段種類によりて異なるも五つも買はぬがよろしかりけり
計算はまあできるとも応用は苦手とするが子どもなりけり
皆様は小学時代に文章題どれほど得意でありましたか?と
出来不出来新聞記事に紹介の結果分析こじつけばかり
この騒ぎ噴水のごと吹き出でてやがて静かに流れ行くかも

2007.10.24

菊見ればプッチーニの曲あるを説く氏の果て無き世界に驚く

姫たづぬ地に幸ひの種ありてよき思ひ出の重なりてゆく

珈琲のかほりに舞へる落葉かな

あをき葉の背景ありて菊花かな

丹精の文字彷彿と菊花かな

2007.10.23

高貴なるかほりとともに青森の友の貴き心届けり
青森の友が挽きたる珈琲の豆のかほりに酔ふ十三夜

2007.10.22

黄金なる背高泡立草見上ぐ空にオバQ白きくちびる

オバQのとぼけた顔の雲の下 日光連山にっこりと立ち

観音の湯に浸り見る西の空あかき火の焼く秋刀魚雲二匹

2007.10.18

ひそやかな花 吾もこうありたしと

秋雲の魚となりて泳ぎゆく書写の山ゆるやかに打つ波

隣なるトトロの話そのままに御伽噺の菖蒲沢かな

2007.10.17

胡桃下稲荷の秋を彩れる菊花に降るや百年(ももとせ)の色
フラッシュの光眩しと幼子のはしゃぐがごとき紅小菊かな
もてなしの珈琲のかほりの深くして桜落葉の色にとけゆく

2007.10.15

筑波路をのぼり来たれば渺茫とただ渺茫と関東平野
筑波米の豊かな稔りもたらせる水田眼下に広がるを見る

2007.10.14

灯籠のまろき窓より薬師堂の屋根を覆へる瑠璃光の見ゆ
なだらかな屋根勾配をやわらかな瑠璃光こぼれゆく薬師堂
朽ちし木に釣船草の花咲きて瑠璃の光の海に泳げる

2007.10.13

秋の日の光集めるコルキカム

茂木には熊あり猿あり鼬あり狐狸もにぎにぎしかな

けさもまた金木犀のかほり満つ朝に目覚むもありがたきかな
金あらば銀もあるとふ木犀のかほりただやふ朝のうれしさ
御尊父の挿す金木犀のかほりかぐ友の心をおもひゐるかな

天地(あめつち)のなす大自然に浸りゐて時にネットに身を横たへり

あをいろに心魅かるはなにゆへぞ あをが中より生まれきたれば

2007.10.12

秋草の茂れる野辺に夏の海もてきて咲ける丸葉朝顔
秋の陽に丸葉朝顔はなびらの星形さやに背伸びするごと
絡み合ふて伸び行く蔓の雄々しさに花はじらふや背を向けて咲く

2007.10.10

ひつじ草の盛り過ぎたる池の面に鴨スイスイと十の字を書き
ひつじ草の中あまたなる鴨のゐて御伽噺(おとぎばなし)の池花の池

2007.10. 9

帰り来て車のドアを開く手に纏(まと)ふも嬉し金木犀の香り
一枝を手折りて庵の毛氈に置けば笑む笑む(MM)金木犀の花
香りよき金木犀の一枝を挿せば七葉は「光」となりぬ 

2007.10. 8

がまの穂にそそぐ光のやさしくて清水が池にとんとんとんぼ

人々のおもひ気高し菖蒲沢薬師堂に射す秋のきらめき

背の凝りを馬頭の湯にて癒さむと行く道の端に咲くコルキカム
もしかして凝りには効かぬ湯なるやと思へどそれもまたよしとして
別の名をイヌサフランといふ花にさふらん節を捧ぐ ハイハイ♪
捧げたるさふらん節に効き目ある哉 馬頭の湯にて凝り解(ほぐ)れゆく

諸の手をさやに広げてみどりなる風を起こせる彼岸花かな

むらさきのほの宿したるぬば玉の黒き光に洗はれてゆく

まんまるな実のつらなりてまんまるな心となりぬひだまりの秋

夕日なす同心円にジェット機の両翼はいま直径となり 

2007.10. 7

萩枝に花のいのちのリレーあり枯れてはバトンをつなぎ咲きゆく

秋の日の偕楽園こそよろしけれセセリくれなひの萩花に舞ふ

真実は「シーっ」と隠して「いい」とする抗議に力あるとおもはじ

2007.10. 6

柿くへば君かきくけこ猿となり木になにぬねの上りいく秋

この庭の草木に絡む水滴のかげうるはしく秋雨の降る

大小を決めるは人の心にてもともと大も小もなき世界

大小を決めるはしょうもなきことぞ

秋の日の匂いもやさしミゾソバの群れ咲く中に出で立つ乙女

ほのゆれるコスモスはいま筆となり空のキャンバスに秋を描けり

水玉に映るセセリの眼かな

黄アゲハを呼びて燃へゆく曼珠沙華

若き日は質より量を重視すも今日このごろは質を気にする

老いも若きもプレミアムなりてプロ見へぬ 

2007.10. 5

 相聞

クリームにあればよろしもクレームにクラリとすれば秋の日クレム 丹人 

 かへし
口の端に付きしクレーム蜜足してクリームに変えてペロリ飲み込む 幸姫

 かへし
クリームに変へてぺろりと飲み込めるクレーム胃の腑にややもたれつつ 丹人

 かへし
クレームは胃の腑の澱とて熟成し黄金に輝くクリームとなる 幸姫

 かへし
クレームの灰汁(あく)をクルーム黄金なるクリームあればクローム(苦労無)にあり 丹人

 かへし
クリームに変へし英知の優しけれクレームもどんと・・・デキレバコナイデ 幸姫

2007.10. 4

水引の赤色もまたよろしかり予が見る花の白のみにして
水引のちひさき白き花々に秋の雫の踊る我が庭

2007.10. 3

見まく欲り偕楽園の秋萩のけふを盛りのくれなひの色
シャッターを押さむとすればファインダーの萩花うれにイチモンジセセリ
歩み行く偕楽園の道の辺に吾(あ)を待ち枝を伸ばす萩花

2007.10. 1

そのまんまでいいよと揺れるあかまんま

足元を見よ!輝けるいのちあり

この月に尽きて更けていく秋の夜

かきくけこ柿栗蛙らりるれろ

コスモスを孔雀の羽にサギ一羽

天地(あめつち)に吾見入りたるこの景を見る人あるときくはうれしき

数多なる視線集まる中秋の月も地球を眩しく見るや

西見れば栗をおもへり市に行けば柿をおもへる秋の日楽し

むくむくと太る栗ありイガ衣脱ぐこの朝に秋雨の降る

ふるさとを遠く見遣りて父母の無事をおもふやコスモスの花

諸の手をさや伸ばしつつ清秋の気に酔ひしれる宵 曼珠沙華

諸の手に天を抱きて立つ花の翳りうるはしこの夕かも
くれなひの曼珠沙華こそよろしけれ野辺に挿したる簪のごと
曼珠沙華の天を指したる蘂の辺にこぼるる光はじけ流るる


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